スタッフブログ
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2019/02/27
スタッフのつぶやき - 映画「人生フルーツ」
先週の休みに
「人生フルーツ」
という映画を見てきました。
とある建築家さんのドキュメンタリーで
住宅を題材にした映画ということで
お薦めいただき
高校の同級生で
一級建築士をやっている友達に
たまたま話したところ
その友達は
映画は見たし
本も読んだと。
とても良いよ
ということでした。
人生フルーツ
東海テレビ制作の
ドキュメンタリー。
写真のおじいちゃんが
津端さん。建築士。
もともと
日本住宅公団の創設期に入社し
エースとして
ニュータウンを多数手がけられました。
ニュータウンというと
有名なのは
多摩ニュータウンとか。
この映画では
津端さんが手がけ
自らも住んでいる
高蔵寺ニュータウンを
舞台にした映画。
ざっくり書くと
ニュータウンという
高度経済成長期の時代に合わせた
住宅を作ったものの
建築士としての自分の考え方にあった
建物ではなかった。
そのあたりの葛藤を中心に描かれ
90歳で設計を手がけるクリニックへ
本当の建築というものを
落とし込む
というもの。
もちろん
感動する良い映画でした。
でもせっかく
住宅や建築に関する映画なので
ただ感想というより
観て何を学んだか
を書きたいと思います。
もともと
津端さんに高蔵寺ニュータウンの仕事が来た時に
まっさらな広大な土地に
どのような建物を建て
配置するか
マスタープランを作りました。
それは
もともとの地形を活かしたり
雑木林を残したり
街の中を風が通るような
プラン。
でも
公団としては
当時の高度経済成長に合わせ
経済優先の団地を開発。
無機質な大規模団地が出来上がります。
ここで
津端さんは
「土地」や「住む人」
に軸足を置いたわけですが
公団としては
「経済」や「金」
に軸足を置いたわけです。
個人的にも
どうにも
このニュータウンのような
無機質な大規模団地は
上海で上空から見た
団地とそっくりです。
やはり
経済やお金が絡んだ開発というのは
とにかくハコモノを作り
床面積を増やし
部屋数を多く作る
という方向にいくのでしょう。
でも
津端さんは
住む人や
住んだ後の街のことを考えて
建物を作る。
この
どこに軸足を置くか
というのが
非常に考えさせられます。
例えば
「土地」に軸足を置けば
その土地が将来的にも再利用できるような形で残したり
その地域に歓迎される活かし方として使う
など
地域のことを考えた利用法になると思います。
次に
「住む人」に軸足を置けば
間取りや部屋の大きさ
風通しや日当たり
など
いかに人が住みやすいかに
向かっていくと思います。
でも
「経済」や「お金」に軸足を置くと
部屋数や面積を多く作り出し
坪単価を高くし
いかに有効に箱を作るか
ということに向かっていきます。
津端さんは
プロの建築士というプライドにかけ
軸足を土地や住む人に置いたわけです。
こういう人は
住宅や建築のプロだと思います。
(私もこうありたいと常日頃思っています)
しかし
経済やお金に軸足を置きながら
土地や建物を触る人は
個人的には
住宅や建築のプロではなく
投資のプロに近いと思っています。
そして
両者のプロの違いが
もっとも出てくるのは
その土地に建物が建って
人が使い出した時ではなく
何十年後かの
将来に結果が出てくると
思っています。
映画でも
高蔵寺ニュータウンは
新しい人がなかなか住まない
と言っていました。
でも
津端さんの設計の通りに
やっていたらどうなっていたでしょうか。
それはわかりませんが
今とは違った結果が出ていたかもしれません。
今回は
団地の話でしたが
マンションも同じだと思います。
新築として発売された当初は
若い人が住みますが
みんなが一緒に年齢を重ねていくにつれ
若い人がなかなか入りにくくなり
管理も行き届かなくなるといった
結果になることもあると思います。
以前の会社で千葉県でマンションをやっていた時に
千葉市内で100万円でも売れないマンションを見かけました。
所有している時も
固定資産税といった税金がかかります。
そういったこともあり
早く売ってしまいたいという気持ちから
そういった値段での販売になっていたのでしょう。
何を目的として
その土地を使うのか。
とても考えさせられる
良い映画でした。
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